野乃屋について 2005.04.20

いらっしゃいませ!野乃屋です。

野乃屋とは、私、野口有子が個人でせっけんを製造販売しているせっけん屋です。
私がせっけん作りと初めて出会ったのは、2002年春のことでした。
アロマテラピーを趣味にしている友人と出かけたアロマ関係のお店に
『手作りせっけんキット』なるものが置いてあったのです。キットは出来上がっているせっけん素地にハーブなどを混ぜて成型するだけのものだったのですが、
手作りせっけんを紹介する本もあり、それによると油と水と苛性ソーダを混ぜ合わせてせっけんが作れると書いてありました。
理科の実験みたいで、なんだかわくわくするね、と友達と一緒にさっそくマルセイユせっけん(オリーブ油を72%以上使ったせっけん)を作ってみることにしました。

作ってみると、苛性ソーダの扱いなどドキドキすることもありましたが、
思いのほか上手くいき、お菓子を作るようなその工程を楽しいと感じていました。
一ヶ月の熟成期間を経て使ってみると、使い心地も抜群。市販のせっけんでは味わったことのない、ふっくらとした洗いあがりでした。
もともと結構せっけんが好きで、洗顔はいつもせっけんだった私は、あっという間にせっけん作りにはまってしまったのでした。

せっけん作りを初めて1年半ぐらい経ったころ、ある決意をしました。せっけん屋になろう。だってせっけん作りが好きで好きでたまらないんですから。これを仕事にしちゃおうと思いました。
せっけん屋になるにあたって目指そうと思ったことは、他のお店では買えないせっけんを作ること、原材料を割合まで全部表示すること、でした。

まず日本の油をメインに使いたかったんです。
地中海沿岸では広くオリーブオイルのせっけんが昔から作られているし、東南アジアならパームやココナツ、アメリカは牛脂ですよね。どれもご当地でとれる油 を原料にして高品質のせっけんを作っている。つまり、その土地の気候風土にあっているってことなんだと思うんです。日本で作るなら、椿油や、米油、ごま油 が適しているのではないかと考えました。
他に、大豆油や菜種油もありますが、いずれもリノール酸がとても多くて、残念ながらせっけんには向かないんですね(注記:2005年4月現在、この考えを 改め始めています。リノール酸が多くてもうまくせっけんにできる方法を模索中です)。最近は遺伝子組替の、リノール酸が少なくてオレイン酸が多い大豆油や 菜種油が出ていますが、それらを使ったのでは本来的な日本産の油、という考えにはずれてしまうと思うし、手作りせっけんの安全な原料を選べる、環境負荷が 軽い、という特性にもはずれてしまうと思うのです。遺伝子組替作物の環境への影響はまだまだわからないことが多いわけですから。
日本の油へのこだわりで、他のお店では買えないせっけんを作っていきたいと考えています。

そして原材料を全て、割合まで公表すること。せっけんを手作りしていて、本当にいいと思えることの一つが、材料を全部自分で決めることが出来ることです。 どんな材料をどれくらい使ったのかわからなければ、手作りせっけんを使う意味は半減してしまうと思うのです。
私のせっけんを使ってくれる方にも、材料を全部知って、本当に自分が欲しいと思えるものを選んでもらいたいと思います。

ガス器具ネットさんで2004年7月に販売を開始してから8ヶ月、2004年12月には癒し生活に出店、2005年1月に勤めを辞めて専業せっけん屋に なってから3ヶ月。本当にたくさんの人に支えられてせっけんを作ることができるんだなと実感する毎日です。
たくさんの人が私のせっけんを手にし、よかったよ、とか、また使いたい!とか感想を聞かせてくれます。これが私の元気の源です。
この文章の上の方では、原料がどうのとか、まじめっぽく書いてますが、せっけんは毎日使うものですから、肩肘張らず、気楽に使えるのが一番だと最近は考え ています。上に書いたようなことはメーカーですから、まあやって当然なわけです。それをどうやってリラックスして皆様に使っていただくか。 使って心地よく楽しいせっけん、これがこれからの野乃屋の目指すせっけんです。

皆様に少しでも心地よく楽しく使っていただけるせっけんをお届けできるよう、日々精進です。
これからもどうぞ、末長くよろしくお願いします。

2005年4月20日店主拝

(2014/5/21追記:これは、開業当初の文章です。今もこのように考えているわけではありません。最近の考えはこちらでどうぞ。→野乃屋について 2013.3.10

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